ライアープリンセス~偽りのお姫様~



着いた先は意外なことに『和食屋さん』だった。

オフィス街の中程にある、こじんまりとしたお店。

高級な所に連れて行かれると想像していた私は拍子抜けした。

「会社の近くでよく来る店なんだ。…イタリアンとかそっちの方が良かったかな?」

「いえ!私もこういうお店の方が好きです!」

恭介さんは笑顔になって、暖簾(のれん)をくぐった。

「あら、恭介くんいらっしゃい。日曜に珍しいわね。」

割烹着を着たおばさんが大きな声で話し掛ける。

中はカウンターに6席。

壁側に仕切りがあって、3テーブルがある小さい落ち着いた雰囲気だった。

日曜なのにスーツ姿の男性が新聞を広げていた。