「お見合いの話があるんだって。」
私の顔を見るなり、お祖父さまはそう口を開いた。
もう知ってるんだ…。
「…はい。」
まだ決めてはいない。
この話を受けるべきか、断るべきか。
答えは出せていなかった。
「夢叶。」
優しい目を高い所に移すし、お祖父さまはゆっくり話す。
「迷うことはないんだよ。人に会うことは決してマイナスにはならないよ。」
重みのある言葉だと思った。
「これから出会うであろう運命の相手かもしれないよ。」
フッと口許を緩める。
「もし違っても、またその相手を探したらいいんだよ。だから、これからたくさんの人と出会っていくことが、今の夢叶にとって大切な仕事だよ。」
きっと私の両親…だと思っている、亡くなった息子さんのことを言っているんだ。
そう感じた。
お祖父さまの後悔と無念が悲しかった。
「そうだろう、竹下。」

