驚かない、驚いちゃダメ。
開かれた車の外には、信じられない光景が広がっていても。
「お帰りなさいませ、夢叶お嬢様。」
何十人と並んだ人達。
メイド姿、コックさんの格好、燕尾服。
その迫力に私は立ち尽くす。
それにこの家。
いや、家というレベルじゃない。
お城…だよね。
周りは綺麗に手入れがされた庭。
色とりどりの花が、競って咲いている。
大きな木や、レンガが並べられた歩道は童話の中のお城、そのものだった。
「君が夢叶さんだね。初めまして。」
にこやかに挨拶をする泰明、いや伯父さま。
え?
昨日会ったよね…。
あ、そっか。
分んないけど、初対面のフリした方がいいんだ…。
「初めまして、夢叶です。」

