ライアープリンセス~偽りのお姫様~



また会う約束をして恭介さんと別れた。

久し振りに人の輪に入り、人間らしい時間を過ごした気がした。

笑いあう声。

他愛もない会話。

私が『御園夢叶』になってから初めて『人』と触れ合った時間。

「今日は楽しかったですね。」

運転席から弾む健斗さんの声。

「うん!」

誘ってくれた恭介さんには大感謝だ。

あ、健斗さんにも…!

「健斗さん、ありがとう。」

前のシートに手を掛け、体を起こして声を掛ける。

「連れ出してくれて。迷っていたけど、すんごく楽しかった!」

「そうですね、わたくしも意外と楽しめました。」

ミラー越しに細くなった目。

それに怖くなかったよ。

健斗さんがいてくれる安心感がいつもそこにあった。

関係は恋人同士でも、家族でもないけれど側にいてくれる人。

私を尊重し、導いてくれる。