ライアープリンセス~偽りのお姫様~



「…夢叶様?」

小刻みに震える肩を掴んだ。

手に隠された左腕から、うっすらと赤いものがにじんでいた。

刃物で切られたのだと思った。

さっきの光りは刃物だったのだと。

「大丈夫ですか?」

冷静にいつも通り話す。

緊急事態が発生した時、執事が慌ててはお嬢様の動揺は大きい。

自分が慌ててはいけない。

そう言い聞かせ、冷静に振る舞った。