ライアープリンセス~偽りのお姫様~



――その視線に入り込んだ異様な人物。

もう夏が近いというのに、上下黒づくめ。

パーカーのフードを頭にスッポリと被っている。

「………。」

嫌な予感がした。

執事としてか、男としてか。

その人物は真直ぐ歩かず、花屋のワゴン車の方へ斜めに進んでいる。

「!!」

その向う方向には――。

嬉しそうに鉢植えを手にした夢叶様の姿!

「夢叶様!」

駆け出した自分の目に映ったものは――。

その人物の手元に鈍く光るもの。