「友達って……、真菜ちゃん?」 「ううん……」 今なら、奏汰のことを話せるかもしれない。 玄関近くの浴室からは、湯船に浸かっているお父さんの鼻歌が聞こえてくる。 「お母さん、あたしね……」 「なに?」 「付き合っている人がいるんだ」 「えっ? いつからよ」 それまで心配そうにしていたお母さんの顔に笑みが広がる。