「奏汰くん、彼女いるって?」 「………」 「柚ー?」 真菜はあたしの親友。 小学校からずっと一緒で、いつもあたしのそばにいた。 中学生の時にあたしが失恋して……。 家に泊まりにきて、朝方まで慰めてくれたこともあった。 そういえば……。 高校受験の忙しい最中に、真菜と同じ人を好きになったこともあったっけ。 その時は、ドロドロとした喧嘩にはならなくて。 『あんたには負けないから!』 あたしと真菜、笑いながら、その人を振り向かせようと必死になってたな。