その日、家に帰りついたのは夜の七時過ぎだった。 あれからあたしは、奏汰の告白にどう答えていいか分からなくて。 真菜のことがあったから……。 「好き」だという奏汰に対して、「うん」と頷くのが精一杯だったんだ。 奏汰は大人なのかな。 そんなあたしに、返事を急かすこともしなくて。 ただ、静かに笑いながらあたしを見ていた。 そんな落ち着いた奏汰を見て、あたしはますます奏汰のことを好きになってしまった。 『気が向いたら連絡して』 別れ際。 あたしと奏汰は、お互いの携帯の番号とメアドを交換した。