「……なに?」 フーッと白い煙を吐き出しながら、奏汰が眉をひそめてあたしを見た。 「タバコ、吸うんだ」 「……あ、もしかして。タバコ、ダメだった?」 奏汰は慌ててタバコを消そうとする。 あたしもつい、慌ててタバコを消そうとする奏汰の手を止めた。 「あつっ……!!」 「バカ、なにやってんだよ」 火の点いたタバコの先があたしの手に思い切り触れ、あたしは反射的に手を引っ込める。 じわじわと熱を帯びだす手を、奏汰が咄嗟につかんだ。