顔が熱くなるのを感じる。 間近にある奏汰の顔を見ることなんて、できない。 うつむいたまま、あたしは言葉を続ける。 「彼女……、いる?」 「はぁ!?」 あたしの突然の問いに、奏汰は驚いて、素っ頓狂な声をあげた。 「彼女はいないよ」 「ほんとう!?」 「うん」 真菜に頼まれたこととはいえ。 奏汰に彼女がいないと知って、あたし、思わず心の中で飛び跳ねてしまう。