「ねぇ、柚。誰探しているの?」 「えっ?」 「さっきからキョロキョロしちゃって」 真菜の問いに、お冷を一口飲んでから答える。 「さっきお店の前で、この店の大将の親戚だっていう男の子と会ったんだ。手伝いにきてるって」 「へぇ。かっこいい?」 「うん。結構かっこいい」 急に真菜の目がキラキラと輝きだす。 彼氏がほしいと、口癖のように言っている真菜。 これが出会いのきっかけになるかもと、さっきのあたしのように奏汰の姿を探し始めた。 「それらしき人はいないわね」