「おい……!」 「―――?」 店の前でウロウロしていると、背後からぶっきらぼうな口調で声をかけられる。 振り返ると、背の高い男の子が眉間に皺をよせてあたしをじっと見ていた。 「入るの? 入らないの?」 「……あっ、いえ、そのうち入ろうかと」 「なんだそれ」 呆れたように、彼は鼻で笑う。 あたしと同い年か、少し年上ってところかな。 切れ長の目、色白の肌。 目元のホクロがとても似合ってる。