深紅のバージンロードの向こうには、お父さんとは対照的に、余裕の表情であたしを迎える奏汰が笑顔で立っている。


参列者の席には、

お母さん、真菜、先生……。


そして、

大将とかんなさんの姿もあった。



結婚式の招待状を出すとき。

あたしの頭のなかには、大将とかんなさんの存在も自然に浮かんだけれど……。

お母さんのことを気にして、宛名を書くことができずにいた。


でも、そんなあたしのことを察知したのか。

お母さんの方から言ってきたんだ。



『遼太郎くんたちの分の招待状は書いた?』