悲しげな瞳をして、かんなさんは淡々と語る。 「……諒子さん!?」 「お母さん……!」 外階段の下のほうから驚くような声が聞えてきて、振り返ると、そこには呆然と立ち尽くす先生と大将の姿があった。 「後悔しています。申し訳ないと思っています。……どれだけ償っても、許してもらえないことも分かっています」 「……柚、帰るわよ!」 かんなさんの言葉も聞かず、お母さんはあたしの腕を引っ張る手に力を入れる。 「諒子さん……っ! お願いです。柚ちゃんたちまで、引き離さないでください」