―Destiny―



奏汰からあたしを引き離そうと、お母さんが腕を強く引っ張る。

あたしのすぐそばにいたかんなさんが、さらにお母さんの手を掴んで、それを止めに入った。



「離して! あなたに止める資格があるの!? 結崎さんを……っ、柚羽を殺したくせに――!!」


「お母さんっ!」



突き刺すようなお母さんの言葉に、かんなさんの表情が一瞬、歪む。

でも、かんなさんの手は、お母さんの手を掴んだまま離そうとしなかった。



「……あたしは……、確かに人殺しです。我を失って、永ちゃんを死に追いやったうえに、柚羽さんを追い詰めました」