「――柚っ!!」 二階に続く外階段を、けたたましく駆け上がる音とともに聞こえてきた、あたしの名前を叫ぶように発する金切り声。 「……お母さん……っ!?」 どうして、ここに……。 血相を変えて、あたしのもとに近づいてくるお母さん。 あたしの頭のなかは一気に真っ白になる。 「おかしいと思ったのよ! 生徒指導の先生から補習の電話なんて……!」 「お母さんっ……」 「やめてください、諒子さん!」