「柚……!? どうしたんだよ、急に……」
突然やってきたあたしに、奏汰は目を丸くし、ひどく驚いていた。
その驚き方が何だかおかしくて、あたしとかんなさんは顔を見合わせて笑った。
――優しい笑顔……。
かんなさんの笑顔を見て、そう思った。
本当にこの人が、柚羽ちゃんと永輝さんの仲を引き裂いたの?
永輝さんを死なせたうえに、柚羽ちゃんを追い詰めたの?
あたしは昔のことを何も知らないから、そんな昔の彼女の姿が想像できなかった。
「柚ちゃん。あがって? コーヒーでも淹れるわ」
「あ、はい」
かんなさんに促されて部屋に入ろうとした、そのときだった―――


