ひどく驚いた様子であたしを迎えるかんなさん。 あたしは彼女の顔をまともに見ることができなくて、視線を左右に動かしながら答える。 「あの……、奏汰に会いに来たんです。ここにいるって、おばちゃんから聞いて……」 「あ、そっか。やだ、あたしったら鈍くて……」 ふふっと笑って、かんなさんは部屋の奥にいる奏汰に声をかけた。 「奏汰くんー。柚ちゃんだよー?」 「えっ!? 柚!?」 素っ頓狂な声がしたかと思うと、今度はドタドタと慌てたような足音を聞こえてくる。