はっきりとした場所は言わなかったけれど、訊かなくても行き先はすぐに分かった。
学校の近くの【来来軒】。
奏汰と連絡を取っていないあたしには、今日、奏汰が店にいるのかどうかも分からない。
でも、自然と確信が持てる。
今日は、必ず奏汰に会える、と。
「いらっしゃ……。あっ! 柚ちゃんじゃないか!!」
「おばちゃーんっ! 久しぶりー」
「あれまぁ、ちょっと見ない間に女らしくなって!」
久しぶりに会うおばちゃんを見て、懐かしさのあまり涙が出そうになってしまう。
「おっ! 柚ちゃんじゃないか!」
「うわぁ、おじちゃんたち! 寒いなか、お仕事お疲れさまー」
店の常連客でもある、工事現場のおじちゃんたち。


