最近あたしは、お母さんと同じことを思う。

二十年前の笑顔を残したまま写真に納まっている柚羽ちゃん。


――どうして、死んでしまったの。


あたしと柚羽ちゃんの間に接点はない。

でも、もしも柚羽ちゃんが生きていたら……。


あたしはきっと、柚羽ちゃんに助けを求めていたと思う。

その傍らには、静かな笑みを湛えている永輝さんがいたんだと思う。



二週間の冬休みは、奏汰との接触を一切絶たなければならない期間。

奏汰と最後に会ったのは終業式。先生と大将に連れられていったドライブ。


別れ際、奏汰は「二週間、忍耐の日々だな」と笑って言った。

あたしもまた笑って「長いなぁ」と言ったけれど……。

互いに握り合っていた手は、微かに震えていたんだ。