―Destiny―



「…………」


「お母さん、その日以来、学校に来なくなってさ。目の前で親友が自殺したこと、留美ちゃんの異変を察せなかったこと、留美ちゃんがなにも相談してくれなかったこと。いろんなことでショックを受けてしまって……」



ふと、あたしの親友・真菜のことが浮かぶ。

最近は奏汰のことで、真菜とゆっくり会う時間がない。

けれど真菜は、いつもあたしに言う。


『あたしと会う時間があったら、奏汰くんに会いに行ってよ』


あたしはいつも、そんな真菜に感謝している。


もしも真菜が、お母さんの親友のように突然命を経ってしまったら……。

真菜はそんな子じゃないけれど、そんなことを想像するだけで、あたしはひどく悲しくなってしまう。



「……そんなお母さんを立ち直らせたのが、柚羽ちゃんなんだ」