お父さんはアルバムに目を落としながら、一呼吸おいたあと、再び口を開いた。 「高校に入学してすぐ、その子が自殺したんだ。しかも、お母さんの目の前で」 「……自殺……」 はじめて知る、お母さんの過去。 普段はあんなにも明るいお母さんが経験した、辛い過去。 頭の中が混乱しているあたしのことなどお構いなしに、お父さんは淡々とその時のことを話し始めた。 お母さんの過去は……――。 柚羽ちゃんを失って、かんなさんを執拗に憎み続けることへと繋がっていたんだ。