スーツを脱いで、いつもの部屋着に着替え終えたお父さんが、まるであたしを待っていたかのような顔つきで迎え入れた。
「――最近、柚と話をしていなかったな」
ダブルサイズのベッドにお父さんと二人、腰を下ろして話す。
「話? 毎日のようにしているでしょ?」
夕食はいつも家族一緒。
そのときに、あたしは学校のこととか、どこかの町で事件が起きたとか、有名俳優が誰々と付き合っているとか、そんな話をしっきりなしにしていた。
お父さんもお母さんも、仕事のこととか、近所のナントカさんが……なんて、話題豊富で。
家族の団欒はきちんと出来ていた。
「いつもの話じゃなくて。奏汰くんとのことだよ」


