―Destiny―



「これは永輝くんの携帯で、永輝くんが死ぬ前日に打ったメールだよ。誰に宛てたのかは分からないけど」



いったい、誰に宛てたメールだったんだろう。

柚羽ちゃん?

それとも、永輝さんと柚羽ちゃんに関係している誰か?



「もしかしたら……。柚羽さんも、何かしらメッセージを残していたんじゃないかなって思うんだ」



先生がそう言ったあと、大将が「あの二人は似たもの同士だからな」と付け足すようにして話し始めた。



「あの二人は、離れていてもお互いのことや、周りの人間のことを常に思っていたから。自分のことは後回しでさ。ホント、似たもの同士っていうか……」



呆れたように、寂しく笑う大将を見て、胸がズキンと痛む。