先生が言ったとおり。 大将の車が店の表に回されるのと同時に、店の裏口から奏汰が遅れて姿を現した。 「奏汰……。なんで?」 状況がつかめず目を丸くして訊くあたしに、奏汰もまた同じように訊き返した。 「柚も、なんでここに……」 知っているのは、先生と大将だけ……――。 穏やかに微笑みながらこちらを見る大人二人。 あたしたちは二人に促されるがままに、大将の車に乗り込んだ。