―Destiny―

「俺も正直言って、かんなさんのことは許せない」



はじめて見たお父さんの厳しい表情が、グサリとあたしの胸を突き刺す。



あたしが知っているお父さんは、いつも笑っていて。

怒っているお母さんを宥めてばかりだった。



テストの結果が悪い時も、

「勉強だけがすべてじゃないぞ」

そう笑っていて、お母さんから一緒に怒られたこともあった。




「でも……」



お父さんの表情から、にわかに寂しげな笑みが広がる。



「憎しみを抱えたままじゃ、前には進めない。そのことで、君と柚を苦しませているのだから」