――できることなら……。 誰も巻き込みたくなかった。 同じ悲劇を繰り返したくなかった。 みんなが幸せになる道を、必死に探していたあの頃……。 結局は、みんなが苦しみ、傷つき……。 そして、罰を受けたんだ――。 「……かんな」 「なあに?」 晶が帰ったあと、仕込みの手伝いに店にやって来たかんな。 トントンと心地よい音を規則的に立てながら、ネギを刻む彼女の後ろ姿。 その小さな背中には、人知れない苦悩を背負ってきた。 俺はその背中ごと、後ろからかんなを抱きしめる。