※槙村先生side※ 「村岡! ちょっと生徒指導室に来い!」 騒がしい昼休み時間の教室。 僕は一人の女生徒を指導室へと呼び出した。 村岡 柚……――。 昼休みに学校を抜け出す常習犯。 何度注意しても聞き入れない村岡に、『停学』だと言ったら、彼女はその翌日から学校を抜け出すのをピタリと止めた。 「……なんですか? 先生」 村岡は、なぜ呼び出されたのか心当たりがないのだろう。 しかめっ面をして、指導室へとやって来た。