―Destiny―



同じ日にアパートのベランダから転落死した、叔父さんが愛し、大切にしていた彼女。


その彼女の死に関わっていたのも、かんなさんだった。



出会った頃からかんなさんを想い続けていた遼ちゃん。


……これから一緒に、犯した過ちを償っていこう。


プロポーズしたのは、かんなさんが八年の刑期を終えて出所した日だった。




俺の家にある叔父さんの遺品。

その中にあった、ペアの指輪……。



『なぁ、奏汰。ユワって誰なんだろうな』



指輪を見るたびに、おふくろは俺に問いかけてきた。



『……さぁ? 俺が知るわけないだろ?』


『だよな』