覚悟して人の話を聞くのは初めてのことだった。
俺はごくりと喉を鳴らし、遼ちゃんから語られる話を聞く態勢に入る。
『おまえの叔父さん……永輝くんが死んだのは、かんなが原因なんだ』
『……かんなさんが……?』
そこから語られたのは、俺が生まれる前に起きた昔の悲劇――。
叔父さんと、叔父さんが愛する人を引き裂いたかんなさん。
その果てに、かんなさんは叔父さんと彼女を死に追いやったという。
『殺す気なんかなかったくせに……。あいつ、永輝くんに対して殺意があったなんて証言してさ』
当時、車を運転していた叔父さんと口論になったかんなさんは……
助手席から叔父さんのハンドルを奪った。


