冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、それをゴクリと飲んだあと、お母さんはあたしを見て言った。
「……柚。奏汰くんとはもう会わないで」
「……えっ? どうしてよ」
「とにかく、もう二度と会わないで!」
甲高い声で言い放つお母さんに、あたしは納得できない。
理由もなしにそんなことを言われたって……。
「理由を話してよ。いきなりそんなこと言われても、あたし、納得できないし」
引き下がらないあたしを見て、お母さんは大きく深呼吸をした。
そして、リビングのソファにあたしを座らせ、自分もまた、あたしと向き合うようにして座った。


