「あなたが奏汰くんの彼女の柚ちゃん?」 「は、はい……」 後ろに座っていた女の人が、明るく笑いながら身を乗り出して訊いてきた。 「あたし、竹島かんな。この人の妻です」 「大将の奥さん……」 なんとなく分かっていたけれど、改めて紹介されると現実味が出てきた。 寡黙な大将とは正反対の、社交的な感じの奥さん。 なんだか、こういう夫婦っていいなぁ……。 大将は口を挟むこともせず、黙々と車を走らせている。