「あ……、ごめん、奏汰……」 真っ白なシャツに点々と飛び散ったオレンジジュース。 あたしがバツが悪そうに謝ると、奏汰は怒る様子もなく笑った。 「着替えてくるから、待ってて」 奏汰はリビングにオレンジジュースを運ぶと、「ここで待ってて」とソファにあたしを座らせた。 「あれっ? 奏汰は?」 それからすぐ、奏汰と入れ違うように、奏汰のお母さんがリビングにやって来た。 あたしはまた緊張に包まれ、しどろもどろになりながらも奏汰がここにいない理由を話す。 「……ったく、あいつもドジだねぇ」