【予定なし! 会えるの?】 【バイト休みだから。あとで迎えに行く】 「あとでって……、何時に来るのよ~」 時間も言わない奏汰にほんの少し腹が立ちつつも、口元が緩む。 朝食を食べ終えたあとの食器を急いで片付け、あたしは出掛ける準備に取り掛かる。 服を着替え、それに合う靴を玄関で選んでいると、車のマフラーの重低音が外から聞こえてきた。 「うわっ、もう来た!」 とりあえず目についたミュールに足を突っ込むと、あたしは大慌てで外に出た。