「はい。
終わりました。」

ブランの靴の泥は
すっかりとれていた。


「おぉ。
じゃあこれな。」


ブランはラミアスに
硬貨を一枚渡した。

「ありがとう
ございました。」


「………。」


何故お前が
礼を言うのだ?

働いたのだから
お金を貰うのは
当たり前ではないのか?

「…ラミアス。
それは一体
いくらなのだ?」

「これですか?」

ラミアスはさっき
受け取ったものを
私に見せてくれた。


…やはり見たこと
のない硬貨だった。

「これは一枚で
どのくらいの
価値なのだ?」

「はい?」

「1000ラクスぐらいか?」

私の言葉に
ラミアスは笑った。