「……えっ?」 目をパチクリしている私を無視して、涼さんはまた人差し指と中指をこめかみに当てて、ウインク1つ。 そして。 「じゃぁ、おやすみ〜」 そう言って、呆然としている私に背を向け、走って行った。 あっ。 「ちょっと〜、涼さん!」 私の呼び掛けに涼さんは後ろ向きのまま手を振って、合宿所とは逆の方の暗闇に消えて行く。