時々、涼の影にいる僚二が姿を表わす。 その度に、私は涼が見れなくなる。 自分の事を忘れないように僚二が見ているんじゃないか……なんて、一瞬、錯覚してしまう。 でも。 すぐ思い直す。 ううん、違う。 僚二はそんな人じゃない。 自分の事より、私の事を考えてくれる人だった。