遡る事、昨晩。

セリルは思わず瞑った瞳を開けた。

そこには目を丸くしているルシェの姿と、相変わらず無表情のセイル。


「これで依頼達成だ」


え?と言わんばかりにセリルは口をポカンと開けたまま。

セイルはそれを無視してその場を去る。白い花弁と黒い羽根を残して。


「えー……と? セリル君、とりあえず帰ろう?」


ルシェも何が起こったのかが分からない状態。

とりあえず今出来る事を実行しようと提案したのが帰宅。

セリルもそれに同意して、2人はその場を去った。

そこで待っていたのは屋敷の壁にもたれかかれ、怪我に苦しんでいるセイル。

ルシェとセリルは慌てて彼を運び、手当てをする。