ゆらゆら・・ ゆらゆら・・

ぼんやりと見上げると、海面からのびた光の梯子が、海の者達を優しく抱きしめていた。


あたしが暮らしてる海は、とっても穏やかだ。

極彩色のサンゴとキラキラ輝くエメラルドブルー。


鮮やかな魚がちょこまかしていて、にぎやかで、誰もがココを好きだと言うけど。


あたしはひとりぼっちだから。

この場所にどうしても馴染めなかった。


ここにいる誰もが、仲間達と暮らしているのに、どうしてあたしはひとりぼっちなんだろう。


哀しくて、哀しくて。

このままじゃ、あたしはどうにかなっちゃいそう。


そんなある日、ふと夢に訪れたあの光景。

空と海が繋がったような青い青い世界の中で、あたしは仲間と一緒に高く高く跳ねていた。


夢から覚めた途端、せつないほどに懐かしくて、叫びだしそうになった。


きっと。

きっと、あの海がほんとの、あたしの場所なんだ。


帰りたいよ、神様。

帰りたい、帰りたい

帰りたい・・・・・・・・・

あたしを仲間のもとへ、帰して・・・・・・・