%完璧なケータイ小説%


驚いて尋ねる私に、

医師はあっけに取られたように顔をあげた。


「間違いありませんか?先生」

さっきの男が、医師に確認する。


「間違いないですよ。

この携帯はさっきみた、

物忘れの人のものだ。」


「いえ、携帯ではなく、

患者様の顔を見て答えていただきたいのですが」


そこまで言うと、

医師はやっと私の顔を見た。


「顔、ねぇ・・・。」


医師はため息をついた。


「そう言われても、

顔なんて見て診察してないからねぇ。

携帯を見ればすぐ分かるけど。」