狭いユニットバスに入ると白い湯気に包み込まれた。 夢の中に出てきた地下鉄駅の霧を思い出して、お湯に浸かっていても温まっているという感覚がなかった。 地下鉄駅にもう行きたくないな……。 これからの登下校が苦痛になってしまう。 バス通学するしかない……けれど本数が少ないからいつもより20分早く家から出ないといけないし、歩く距離も倍以上になってしまう。 私はどうやって純子を口説こうかと考えた。 理由も説明しないといけない。