指で突くと幾重にも輪が広がり、波紋を刻んだ。 私と純子は常識が破綻した瞬間を目の当たりにした。 『逃げられないよ』 鏡にも波紋のような歪みが広がり、そこから唖璃子ちゃんの頭が出てきた。 半分欠けた頭……グロテスクな肉片を次々落とし、濡れた白いドレスを引きずるように鏡の中からズルッと抜けてくる。 私と純子は恐怖が体中を支配してストンと腰が落ちた。 『まず、どっちが犠牲になってくれるの?』 唖璃子ちゃんは片側しか残っていない黒い目で私たちを見据える。