ぶろろん、ぶろろん。 おや。 家の前辺りで、カブっぽいエンジン音がした。 「………なるほど。まだ、来る前だったか」 そんな選択肢もあったのか。 安心する。 「さて……、私は寝るから部屋から出ていってね」 「かしこまりました」 「ちぇっ、つまんないのー」 「早く、俺様を部屋から出しな」 俺様キャラが、崩れ出してるし。 ぷぷ。 正直、ぷぷっ。 「いや、自力で出ろよ」 少し笑いを堪えながら、言う。 ――――――そん時。