ナツキは黙って俺の腕の中に収まっている。 その艶やかな髪はまだ少し湿っていた。 「上手く言えないけど。君に会えて良かったよ」 ナツキは何も言わない。 俺は少しその言葉を後悔した。 だってまるで別れの言葉みたいだから。 ナツキとの別れを受け入れてしまっているようで嫌だった。 残された一日。 俺は思い切り恋人らしく過ごそうと決めていた。 そしてあわよくば、ナツキにこのまま居て貰いたい。 俺の気持ちを知ってか知らずか、ナツキは静かに寝息をたてはじめた。