その晩俺は、ナツキが先に居たベッドに滑り込み、背中から抱きしめた。 その形の良い胸や細い腰を引き寄せる。 「今日の貴弘は甘えんぼなのね」 からかうみたいに、だけど優しく言うナツキ。 俺はそれには答えず、抱きしめる腕に力を込めた。 「……明日で最後だね」 自分でも驚くくらい、弱々しく響いた声。 ナツキは身をよじって俺の方に向き直ると、俺の胸に顔を埋める。 「大丈夫よ。今はここに居るから」 全然慰めになってないよ。 寂しい気持ちはちっとも晴れない。