その晩、ナツキはいつものように俺の腕の中で眠った。 シトラスの香りが優しく香る。 その優しい香りが俺の胸を切なく詰まらせた。 ぎゅっとナツキを抱きしめる。 込み上げる、じわりと痺れるような感情。 好きだよ、ナツキ。 俺はナツキを好きになってしまったんだ。 何も知らない君のこと。 居なくなるなんて、堪えられない。 どうすれば良い? 残り二日で、君の苦しみを取り除いたら。 そしたらずっと居てくれる? ねぇ、ナツキ。