俺とナツキとの間に見えない壁があるみたいに感じる。 あんなにも自然に近くに居てくれたのに。 手を伸ばせば触れる距離にいつも居たのに。 心に触れることは許してくれないのだろうか。 「恋をしたくない訳でもあるの?」 そう言うとナツキの目には涙が溜まっていった。 だけどナツキはそれを溢れさせることはしなかった。 涙がこぼれないようにゆっくりと頷く。 「……辛い恋でもしたの?」 ナツキは少し躊躇って、もう一度こくりと頷いた。