ナツキは宙を見つめながらそっと答える。 「……あたしも楽しかった。凄くありきたりだけど、あったかい毎日だった」 その言葉は俺の胸にじんわりと滲みた。 なんとなく、ナツキは何かを終えようとしているように感じた。 俺との日々か、それともこれまでの生き方か。 俺は身を起こしてナツキに覆いかぶさる。 そのしっとりとした瞳を見つめ、優しくキスをした。 そして俺の全身に沸き上がる全ての感情と想いを込めて囁く。 「愛してる」 ナツキは微かに瞳を潤ませた。