確認のためだけの序盤が終わり、
少しずつカードが減り始める。
緊張のせいか、記憶がうまくいかなかった。
それどころか、同じカードが何度も出てしまう。
ただ、枚数が減れば、それは徐々に簡単になってきた。
「3は、そこらへんになかったっけ?」
愛は、引き分け狙いの振りをしながらも、
着実に裏切るタイミングを狙っていた。
それぞれの獲得ペア数は、
愛が、7。
奏が、5。
男が、6。
全部で26ペアと考えると、後8ペア。
おぼろげな記憶だが、カードのほとんどは把握済み。
あと3つペアをとれば、勝ちが確定する。
次に回ってきた時が、チャンスだ。



